初めての海外旅行と越ガールは電気電ウナギの夢を見るか?

2日目 中編

次に向かったのはベンタイン市場。アジアの市場のイメージを忠実に体験させてくれるそこは、やはり観光客が食い物にされてるであろう値段設定と強引さでもってものすごい熱気をはなっていた。


(市場内。建物の中に全ておさまっている。観光客ばっかり)

ものの10分でボクはマナさんに「ちょっと一回出よう」と泣きを入れることになる。何が売ってるのかって、何でも売ってるんだろう。正直こういうところは苦手なので気分だけ味わうに限る。市場内には食堂もあってベトナム料理の匂いや古着のような匂い、魚の匂いなどが混ざり合って雰囲気抜群のところではあったのだけれど、間違いなくぼったくられるのがわかっていたのでそこは見学だけということで一つ勘弁ねがえんか。だってカルティエだかの時計を試しにいくらか聞いてみて、ちょっと値切ったら1/4くらいにいっきに値段下がったしね。粘れば9割引ぐらいまでいけそう。


ベトナム人は店の中でいつも寝てる。この優雅さは日本人には出せない)

市場で体力を持ってかれたボクは休憩を要求。ボクは旅行において「疲れるぐらいだったら休むし、寝る」という目標を掲げている人間なので頻繁に休まないと死ぬのである。マナさんにシントーというフルーツシェイクのようなものが飲める店に連れていってもらう。オレンジのシントーを注文。シェイクといってももっと生々しいというか、果物の味そのまんまという感じ。


(アジアは全般的に野菜とか果物が美味いと思う。どっちも嫌いだけど)

次はお土産を買いにスーパーへ向かう。あんまりお土産は買う予定なかったのだけれど、朝に飲んだベトナムコーヒーに引かれたのと、スーパーでの買い物って割と盛り上がるポイントだったりするからだ。ちなみに韓国に来る人をアテンドするときもスーパーは鉄板なので外国に住む人は覚えておくように。テストに出るよ。味はともかくとして異国の食文化ってのはおもしろい。特にお菓子とか日本ではありえない味のものがあったりする。あとスーパーのつくりってどこも基本的に変わらないのね、と思った。マナさんがしきりに「これ!このファンタ不味いから買って!」とちょっと意味わかんないことを言っていた。買ったけど。


(お目当てのベトナムコーヒー。売り子さんがいて日本語でセールスされた)

それからスーパーの前にあった服屋でTシャツやネックなんかをちょこちょこ買った。ベトナムの服は単品ごとにはかわいいものが多いと思うのだけれど、圧倒的に種類が少ない。まあ、経済的理由と四季の変化が少ないということに起因するのだろう。

買い物も終わり外に出ると既に夕方近くになっていて、空にはもくもくと雨雲が広がっていた。お得意のスコールさんでしょ?と雨の匂いを感じて逃げるようにカフェへ入る。カフェ何回行くんだ。逃げ込んだはいいもののいつまでも経っても雨は降らず、ふと外を見ると恋人達の街にはイルミネーションといった様相が。やあ、キレイじゃないと言いながらお散歩を再開してみたのだけれど、マナさんは「イルミネーションなんてない。今までもなかったし、これからもだ」と言っていた。どうやら彼女の目には映っていないようだった。外国は人を変えてしまうよね。


(こんなにキレイなイルミネーションなのに)

散歩ついでにまだ行っていなかった観光地も回ってみようということで教会や郵便局などを見学する。街のところどころに植民地時代の名残なのか少し場違いな建築物があって、不思議な雰囲気を演出している。明らかに異質なものを排除しようとする人種とそうじゃない人種がいることをアジアビジネスに携わってみて知ったのだが、ベトナムは後者のほうだと感じた。ただそれはおおらかさ、というよりも諦めのようなものなのかなと思った。しらんけどね。


(郵便局。うん、違和感がある)


(街中で見つけたアニメのフィギュア。あんまりオタオタしい文化は見られなかった)

そうこうしていると時間はもう夜。フライトの時間も迫ってきたので夕食に行くことにした。

(つづく)