続、韓国で見るオリンピックが壮絶なまでに面倒くさいということ

http://d.hatena.ne.jp/karaimonokirai/20100225/1267111952
前回のエントリをいくつかのブログでご紹介いただいたみたいで相当数の方にご覧いただけたようです。ただ、ボクが言いたかったのはフィギュアスケート八百長だとか浅田真央こそが金メダルだとかそういうことではなくて、韓国人のオリンピックを見る姿勢、他国(他人)への尊重の気持ちの無さなどにがっかりしたという話がしたっただけです。細かいですが一応書いておきます。

さて、キム・ヨナ選手が金メダルを取った瞬間のことも書いておきたいと思います。

韓国人は誰もがそわそわしていた

フィギュアスケートフリーの当日、ボクは某社が主催する新年会(韓国は旧正月のため)に顔を出すためにCOEXの隣にあるインターコンチネンタルホテルにいました。その日は朝から駅にあるモニター、新聞、人々の話題、どれをとってもフィギュア一色といった様子で、同僚もどこか落ち着かない様子でした。もうフィギュア・スケートは、というよりもキム・ヨナ選手の金メダルは韓国という国家全体の大事件だったようです。
新年会は定刻よりも20分遅れて始まりました(韓国時間ですね)。事業説明やライセンシーの方々への挨拶など順調に進み、ボクも知り合いの社長に挨拶したり名刺交換したりしていました。

パーティよりもフィギュアスケート

食事はフレンチのコースでした。オードブルとスープがきた後にシャーベットが出されたのですが、これはメインディッシュの前の口直しかなと思います。ところが会場はこれで料理が終わりなのかと思う人がいて(あり得ないのですが)、他のテーブルから聞こえた言葉はこうでした。

「これでお料理終わりってことはキム・ヨナの演技が見れるね」

慌ててテレビに集まる

その後、メインディッシュは無事に(?)出てきて新年会は一旦終わりになりました。韓国人はコーヒーもそこそこに慌ててホテルを出ていき、携帯電話を取り出してワンセグTVでオリンピックを見ています。もうそれは韓国人は全員いまテレビを見ているのではないかと思わせるぐらいの光景でした。知り合いの皆さんは帰り際、ボクに「先に帰るね。今からキム・ヨナと浅田がファイトだから!」と興奮気味に話して帰っていきました。ボクは少し会場に残って主催者の方(日本人)とお話をしていて「韓国人のこのフィギュアスケートへの情熱はすごいですね」と言うと苦笑されながら「会場のスクリーンでスケートを映せって言われましたよ」とおっしゃっていました。

金メダルのその後

会場を出ると韓国人たちは「新記録!世界新記録!」と興奮していました。帰りのタクシーでも運転手がラジオを聴きながら「いま浅田がやってるよ」と言ってきます。やってるってラジオだから曲流れてるだけやん。

その後は会社に戻り仕事をしていたので興奮の様子はわかりませんが、おそらくキム・ヨナ選手の世界新記録での金メダル話を肴にカンナム辺りは盛り上がっていたことでしょう。フライデーナイトはお願い、キム・ヨナ!ボクは一切の誘いを断って仕事をしていました。幸い家のテレビは映らないのでネットでニュースを見る程度にとどめておきました。
見ていないのですが実際にキム・ヨナ選手は素晴らしい演技をして金メダルを獲得したそうなので、それはとてもすごいことだなあと思います。一番驚いたのは韓国が金メダルをとっている他の種目と比べてもフィギュアスケートの盛り上がり方の異常さと人々の熱狂ぶりでした。これは長野オリンピックのときでも日本ではとても感じられなかったものです。

皮肉にもキム・ヨナ選手が金メダルをとったことで浅田真央選手にたいしても「すばらしかった」という評価が韓国内でできあがりつつあるように思います。例えそのすばらしかったの前に「キム・ヨナよりは劣っているが」という言葉がつくとしても、ボクはほっとしています。これから暫く続くであろうキム・ヨナフィーバーの韓国でボクは「浅田真央選手の演技もすばらしかったよね」と言い続けていきたいと思っています。